2012年02月15日

【ジャンク派会議】 1月の月間賞 「うそのない言葉」

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1月の月間賞 (対象:第1回〜第4回)
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ジャンク派会議の1月を振り返り、
どの人の発信する言葉がより意義深く、いいメッセージを
僕らに届けてくれたか。

その選定をし、月間賞を決めるにあたり、
やはりジャンク派の発祥の地、高円寺 コクテイル書房へ
前回訪ねられなかったリベンジも兼ね、
行ってくることにしました。

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現在、ジャンク派で連載中の『中央線を抱きしめろ!!』のなかでも、
ちょうどコクテイル書房が出てきているところなので、
小説を読んでくださってる方に、実際のお店とマスターの様子を
お伝えするいいチャンスになると思います。


店主の狩野さんといろいろ雑談しながら、
1月のベスト発言者を決めました。


狩野「チェンさん、年末のマエケン(前野健太)のライブ
どうでした?」

※ 前野健太君の毎年恒例の年の瀬ライブがコクテイルで行われている。

チェン「あぁ、非常にいいライブだったと思いました」

狩野「でしょ。そうですよね。
ここ5年で1番よかったと思いますよ」

チェン「どうしたんでしょうね。前野君」

狩野「ええ。どうしたんでしょうね」

チェン「今日は、今やってるジャンク派会議っていう企画で、
狩野さんのご意見もぜひ聞きたいなって思ってきたんです。
これ今までの記事なんですけど、目を通してもらえませんか」

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ジャンク派会議のこれまでの記事に目を通す狩野さん

チェン「このなかから、一番、いいなって思う発言を決めたいと思ってるんです。
狩野さん、印象に残った人とかいましたか?」

狩野「僕が、この中で、印象に残ったのは2つです。
ひとつは、チェンさんが映画について書いた記事で、
もうひとつが、喫茶店のネルケンのマダムの記事です」

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チェン「僕のやつは、ここで選んじゃうと嫌らしいので除外で」

狩野「じゃ、やっぱりネルケンのマダムの発言がよかったと思いました」

チェン「それはどうしてでしょう?」

狩野「チェンさんとの心の通わせあいがあってこその会話に思えたし、
言葉にうそがないと感じたからです。
このうそのない言葉について考えさせられたことが実はあって…
つい最近、同業の書店をやってる知り合いを、がんで亡くしたんです。
一時期、回復の兆しを見せたときもあったけど、
最期、危篤状態になってからは、体力が目に見えて衰えていってるのがわかりました。
人間、誰しも人に対して気を遣いながら生きてるわけですけど、
体力がなくなり、人に対して構える気力すらなくなっていき、
そういう時に発せられる言葉って、ほんとうにうそがなくって、
ありのままの正直な言葉になっているなぁっていうのが伝わってきました。
死に際して、もう、自分を取り繕ったりとか、どうでもよくなってくるんですね」

チェン「なるほど。僕をここへ向かわせるのも、
狩野さんのこういった意見を聞きたいと思っているからかもしれません。
うそのない言葉って、表現者なら誰しも目指すものですね。
さっき挙げていただいた映画の記事のなかでも、
フェリーニなんて、表現にうそがなくって、
とっても芸術に対して忠実な姿勢をとってる人だなぁって感じさせられるんです。
『カビリアの夜』なんかでも、こんなときに人は、こういう笑顔を見せるんだって、
僕らが気づかなかったような、うそのない言葉を気づかせてくれるから、
すごいなぁって尊敬しちゃうんです」

狩野『8 1/2』なんて、とっても面白かった」

チェン「あれ観たら、あぁ男ってこんなもんだよなって、
うそのない言葉で男をよく描いてるなって思わされますよね」

狩野「ほんと、男ってあんなもんですよね(笑)」

チェン「実際、アクセス数とかがいい記事は、ネルケンの記事ではないんです。
評判も上回ってるのも、いくつか他にあります」

狩野「それはわかります。こういうのが評判がいいのだろうなっていうのは。
けど、ほんとうに表現に真剣な人は、そんなことを意識した表現ばかりをやりたいわけではない。
マーケティングでは、人の心を動かせないし、結局、人を集めることもできません。
ネルケンの方の被災地への思いは、そういうものとは関わりない、
まっとうな思いだと感じました」

チェン「ネルケンのマダムの被災地の方に向けられた心意気には感銘を受けます。
僕も、震災後に企画していた緊急公開ミーティングをあの時中止させられて、
もっと怒ればよかったってほんと後悔してます。原発マネーをスポンサーにしてるとこに、
気を遣わず、自分で勝手にやっちゃえばよかった。
今は、なんであの時、自分でやらなかったんだろうって悔しいです」

狩野「僕は、チャンさんがいろんな人を巻き込みながら、
どういったものを志向していってるのかなぁって、ずっと思って見てるんですよ。
けど、ほんとうは、表現者って、孤独と向き合うことを避けれませんよね。
そういった意味で、ジャンク派の集団として目指す表現ではないところの、
チェンさん自身の独立した表現をずっと期待しているんです。
前野君がバンドを辞めたのも、みんなでやるのがとっても辛かったからだと思うんですよね。
それは、自分の表現が見えなくなったからってのもあるんじゃないかな」

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チェン「僕が、みんなで一緒になって、なにかを目指そうと画策してるのは、
なんでだろうかって、ジャンク派会議の中のある週のまとめのときに、
自分自身に問いかけて書いたことがあったんです。
その時には、華僑として生まれた自分のアイデンティティと、
それは関わりがあるんじゃないかと考えているんだってことについて書きました。
けれども、集団が、自分の表現を突き詰めることを放棄した隠れ蓑になってしまってはいけない。
僕は、よく、「何でやってるのかわからない。何をやろうとしてるのかわからない」
っていうそんな気持ちに取り付かれてしまうことがあるんです。
自分は何をすべきなんだろうって考え出すときりがないっていうか、
まったく先が見えなくなってしまう。
ほんとうは、リーダーがこれじゃいけないんです。
そういう意味で、さっきの狩野さんの、自分自身の独立した表現をなんとか見出したい。
それが、ジャンク派にとっては一番の道筋になっていくと認識してます」

狩野「何でやってるのかってことは、後になってからわかるもんだと思いますよ。
渦中にいるときは、それがわからないんです。
僕も、「何で酒と本というコンセプトでやってるんですか?」って昔からよく聞かれるけど、
それにきちんと答えられるように、ずっとやってきて最近ようやくなれた気がしてます。
僕は、チェンさんが歌舞伎町に住んでた頃に書いた“歌舞伎町のゆうれいのお話し”が、
とっても印象に残ってますよ」

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チェン「よくそんな前に書いた文章のこと覚えてくれてますね」

狩野「ああいう文章って、忘れられないんです。人間のさびしさに触れた
やさしさのあるエッセーだなと思いました」

チェン「どうもありがとうございます。自分でも、そんなもの書いてたこと忘れかけてました」

狩野「チェンさんが、見てきたいろんな人、それは嫌な思いをした人もいるでしょうけど、
ありのままで描いてほしいですね。
“かっこいい大人”がテーマだった記事もありましたけど、
僕は、ぶざまになってもかっこいい人っていうのが、かっこいいなって思ってますね」

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狩野さんありがとうございました。

織田作之助、太宰治、坂口安吾など様々な文士の姿を撮り続けた
林忠彦の写真展を先日観て来たのですが、
彼らが当時、文壇バーと呼ばれるような酒場に繰り出していったように、

表現について、自分自身の姿勢を問い正してみたくなった時、
自然と足が向くのが、僕にとってはこのコクテイル書房なのです。

今後もどうか心の闇を灯す光であり続けてください。

今回、狩野さんの意見には、まったく同感で、
1月の月間賞は、ネルケンのマダムに決定したいと思います。


それから、今後のジャンク派会議の進め方ですが、
この1ヶ月を振り返り、1週間単位で、テーマが変わっていくというやり方は、
そのテーマについて語り尽くせてない消化不良気味の感も拭えないでいました。

かと言って、1ヶ月単位にしてしまっては、
スピード感がなくなって間延びしてしまいそうなので、

間をとって、2週間くらいの期間で、1つのテーマについて語っていくスタイルに
変更しようと思っています。

スタイルが定まるまで、しばらく試行錯誤が続きそうですが、
どうぞよろしくお願いします。


コクテイル書房
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今回の議長 チェン・スウリー



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2012年02月08日

【ジャンク派会議】 第5回議題 「今の仕事に決めた理由を聞かせて下さい」 4.まとめ

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今週の議題
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■ 第5回議題 まとめ

これはいかん傾向だなぁ…
曜日の感覚がめちゃくちゃになってしまってる。

気付けば、日付変わって、もう水曜日。

第5回目の「今の仕事に決めた理由」のまとめをしないといけないのが、
ずいぶんとずれ込んでしまいました。
すみません……

このテーマでのベスト発言者は、
インタビューをした人が起業家の端 裕基さんだけでしたので、
自動的に端さんってことに決定させていただきます。

端さんからは、なかなか面白い、いいお話しを聞かせてもらえましたが、
彼以外にも、もう少し別の切り口からも、もっとこのテーマについては、
議論を深めていかなくてはいけなかったなぁと反省しております。

端さんの場合は、
「ゼロから1を生み出し、それを100に育てていきたい」
「チャレンジすることが面白い」
と、もともと起業に対する志向を持っている人だったのですが、

上海の街の勢いを肌で感じ、そこにビジネスチャンスがあることを確信して、
「言葉もわからない、人脈もない、知識もない」未知の中国ビジネスの現場に飛び込んで、
体当たりの挑戦を続けることになりました。

この挑戦は、誰もができるようなことではないと感じた方も多いことでしょう。

確かに、見知らぬ地でまったくコネもない中を足で回って人脈を築いていく行動力、
知らないことを貪欲に吸収していく学習能力には、驚かされるような凄みがあります。

しかし、取材時に彼も言っていたように、
「情熱があって行動していけば、人脈、コネ、知識などなくても、
 いくらでも勉強して切り開いていける」
「どうしてもやりたいことを情熱を持ち続けて、
 できるようにする方法を探すことが大切」

そんな根本ともいえる気の持ちようや、考え方には、
改めて自分を省みたり、奮起させられたりするものがあったのではないでしょうか。

けれども、また、彼のような話しを聞いて、
体当たりでチャレンジすべきものを見つけられた人は幸せだと
感じる向きもあるかもしれません。

それは、ほんとうにそうなのでしょうか?

彼のような挑戦し続ける人に接すると、
ほんとうは、そのチャレンジすべきことに勝手に「できない」と決め付けて、
最初から放棄してしまっているのも、自分なんだと気づかされます。

「できる、できないが最初にあるべきではない。
 行動しないとそんなことはわからないし、見えてこない」

実際に情熱を持って行動し続けているからこその彼の力強い言葉に
励まされて、よしやってやろう!と感じてくださった方がいれば、
この度の記事を掲載できてよかったと思います。


■ 月間賞の選考について

年初より、ぶっ飛ばして書き続けてきたこの「ジャンク派会議」ですが、
今回の議題で5回目のちょうどいい区切りでもあるし、
まだ、1月の最優秀オブザーバーを選定していなかったので、

中途半端に過ぎてしまった今週の残りを、
月間の最優秀者の選出作業に使わせてもらうことにしたいと思います。

選定の途中経過もご報告しながら、
今週末には、結果発表をさせていただきます。

振り返ってみれば、1ヶ月の間に、
飛び込み取材も含めこの「ジャンク派会議」をきっかけにして、
いろいろな出会いがありました。

その1つ1つを丁寧に思い返し整理するよい機会にしたいと思います。
       

   
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